英語速読VS精読(熟読):洋書リーディングにおけるメリット・デメリットを知る

洋書などで英語でのリーディングを勉強する際に、速読するべきか精読(熟読)するべきかということがよく問題に上がります。実際、速読と精読の間には様々な違いがあり、身に付く力もそれぞれ異なるのです。

リーディングの練習をこれから始める人も、すでに始めている人も、ここで速読と精読の違いやメリット・デメリットなどを理解しておきましょう。

速読と精読の違い

まず手始めに、速読と精読の違いについて簡単に紹介します。もう分かっている人も、復習のつもりでもう一度おさらいしていきましょう。

速読とは

速読は、速く読むことを優先し、多少理解できない部分があっても、気にせずにどんどん読み進めていく読み方です。

そのため、速読を行う上では、理解できなかった文章をもう一度読む「返り読み」と呼ばれる行為は基本的に行いません。

その分、ある文章が理解できなかった場合、その前後の文脈から理解できなかった部分の内容を予想することで補完します。

具体的な速読のやり方としては、二つのポイントがあります。まず第一に、単語やフレーズを一文字一文字読むのではなく、かたまりで読むということ。

例えば、「unfortunately」という単語は、アルファベットを一文字ずつ追っていたら時間がかかります。しかし、これを一単語として瞬時に認識できれば、より速く文字を読むことができるのです。

最初は単語を一つのかたまりとして読めるように練習し、慣れてきたら三単語ずつ読むようにする。このように、一度に脳にインプットする単語の量を増やしていくことで、どんどん読書の効率が上がっていきます。

速読をやる上での第二のポイントは、とりあえず読み切ることを意識し、辞書は引かないこと。

分からない単語や部分があっても止まることなく読み続け、分からないところは文脈から内容を予想します。もちろん、それ以前に辞書を引かなくても理解できる難易度の本を選ぶことが大事です。

精読とは

精読は、熟読とほとんど同じ意味の言葉で、丁寧に単語を一つ一つ理解しながら読んでいく読み方です。

速読と違って、速く読むことや読み終わることよりも、単語や文章を一つ一つしっかり理解することに重点を置いています。

また、速読では「返り読み」厳禁でしたが、精読では「返り読み」し放題です。理解できないところがあれば、何度でも返り読みします。

加えて精読の場合は、知らない単語があれば辞書で意味を調べます。自分で買った洋書なら、調べた意味は本に直接書き込んでも良いでしょう。

大事なところがあれば、付箋を貼る、下線を引くなどして、いつでも戻ってこれるようにしておくと便利です。

精読で意識しておくべきポイントは、「分からない」を「分からない」で終わらせず、ちゃんと理解できるまで取り組むこと。どれだけ時間がかかっても良いので、じっくりと洋書を読み込みます。

速読のメリット・デメリット

速読と精読には、それぞれメリットとデメリットがあります。次はそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

速読のメリット

速読のメリットの一つとしてまず挙げられるのが、一冊の本をより速く読み終われる点です。これにより、短期間にたくさんの洋書に触れることができます。

たくさんの本に触れれば、短期間で英語の文章に慣れてくるので、そこもメリットの一つです。特に、多読をしていると、文の構造や語順について感覚的に理解できるようになっていきます。

英語で英語を読む力が鍛えられるというのも速読のメリットです。速読では、日本語に訳さずに英語のまま読んでいくので、英語で英語を理解するというのが習慣になっていきます。

さらに、速読をしていると、語彙が分からない時などに、文脈から分からない単語や文章の意味を想像する力がつきます。この力は、辞書の使えない英語の試験などではかなり役に立つ技術です。

挫折しにくくなるというのも速読のメリットの一つ。分からないところでつまずかないので、読むのが嫌になってしまうというリスクが低くなります。

速読のデメリット

速読のデメリットとしては、まず大量の本が必要になることが挙げられるでしょう。本が速く読み終わるので、すぐに次の本が必要になってしまうのです。

これは、もし洋書を自分で購入している場合、かなりの出費になってしまうため、あまり経済的であるとは言えません。

その他にも、本当に理解できていない部分が残るというのも大きなデメリットの一つです。速読する際は、読み飛ばす部分もあるので、内容理解がどうしても精読するときよりも下回ってしまいます。

「行間を読む」という言葉があるように、読書では文章として書かれていない筆者の意思や想いを読み取ることも大切です。速読の場合、そこにあまり時間を費やすことができないので、不完全な読書で終わってしまうこともあるでしょう。

最後に、速読では精読ほど語彙力は上がりません。速読ではそもそも辞書を引かないので、新しい単語に出会っても、その意味を想像しながら読み飛ばしてしまいます。

速読の基本は、すでに知っている英単語や文法を駆使して文章を理解するところにあるので、語彙力アップを狙っているなら速読はあまり良い手ではないかもしれません。

精読のメリット・デメリット

速読にメリットとデメリットが様々あったように、精読にもメリットとデメリットがそれぞれ存在します。

精読のメリット

精読のメリットの一つは、本や筆者に対する理解が深められるだけでなく、英文の構造やその他文法的な側面への理解をも深めていけること。

精読をする際は、文が完全に理解できるまで同じ文について考えるので、文法的な理解に繋がりますし、そこでついた知識はライティングなどにも活かしていくことができるでしょう。

続けていれば、自ずと読解力も伸びていくものです。精読をしていれば、複雑な文章に出会った時に、その内容を簡単に読み取ることができるようになります。

しっかりと単語の意味を調べながら読んでいれば、語彙力も増えます。リーディング中、文脈の中で新しい単語を学ぶと、その単語の使い方も分かるので、その後応用もしやすいです。

精読のデメリット

速読と比べると、精読は時間がかかるのがデメリットです。もちろん続けていくと読むスピードは上がっていきますが、一冊を読み終わるスピードが比較的遅いので、短期間の間に何冊も読める訳ではありません。

また、挫折しやすいというのも精読のデメリット。常に辞書を引きながら、理解できない文章について考えるのは、時にはかなり忍耐力のいる作業なのです。

もう一つデメリットを挙げるとすれば、日本語に訳しながら読もうとする人にとっては、英語で英語を理解する力がつきにくいこと。

英語の文章を英語のまま理解したいのであれば、英英辞書を使うなどして、日本語に訳さない工夫する必要があるかもしれません。

結局速読と精読どちらを使うべき?

では、結局速読と精読、どちらを鍛えるべきなのでしょうか。答えは実は、速読と精読のどちらともリーディングには必要です。

速読と精読の使い分けが大切

先ほど紹介したように、速読と精読には、それぞれ違ったメリット・デメリットがあります。そのため、その時々にあった読み方を選ぶことが大切なのです。

例えば、説明文や論文であれば速読で読みながら、重要な部分が分からないという時だけ辞書を引くというような読み方が合っています。

特にリサーチ中に他人の論文を読む場合、時間の無い中できるだけ多くの情報を得るには、速読は欠かせません。

逆に、小説や物語なら精読が向いています。物語の場合、一つ一つの文に込められた意味や文章中に登場するメタファーなどについてじっくり考えることが重要です。

そのため、速読で話の流れだけさらったとしても、物語の浅い理解で終わってしまいます。もちろん、あらすじをさっと理解したいだけなら、速読は向いていますが。

精読→速読がオーソドックス

速読と精読を学ぶ順番としては、精読ができるようになってから速読の勉強に移るというのが基本です。

精読で鍛えられるのは、分からない文章を自力で理解する力であり、この能力はリーディング学習をする上では必須。逆に言えば、これができなければリーディング力は上がりません。

速読は、元から理解できるレベルの文章を、より速く理解できるようにするためのものです。だから、速読をどれだけこなしても、肝心の語彙力や読解力は少しずつしか伸びません。

しっかりとリーディングの基礎を築いた段階で速読の練習に入るためにも、まずは精読から始めましょう。

まとめ

今回の記事で、速読と精読の違いやメリット・デメリットを把握できたのではないでしょうか。

何より、一番覚えておいてほしいことは、精読と速読はリーディングを勉強する上で両方とも大事であること。どちらもできるようになれば、確実にリーディング力は伸びるので、頑張りましょう!

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