【英語文法】『現在完了形』とは結局何なのか? 用法を感覚で理解するための簡単解説!

「現在完了形」は英文法の中でも日本人にとって最も難しい文法の一つ。特に、過去形との違いを理解するのは至難の業です。

しかし、教科書通り理屈で覚えるのではなく、感覚で理解すれば意外と簡単に習得できるもの。

今回は、一見難しそうに思える現在完了形を簡単に理解するために、感覚的に理解する方法を解説します。英語圏では現在完了形を日常的にかなり頻繁に使うので、この機会にしっかり習得しておきましょう!

現在完了形とは?

現在完了形は、「have + 過去分詞」の形を取る文法で、現在に何らかの影響を及ぼす過去の出来事について話すときに使います。つまり、過去形とは若干異なりますが、根本的には過去の話をするときに使う文法です。

英語の教科書によれば、現在完了形には「継続・経験・完了」の3つの用法があるそうですが、今は「have + 過去分詞」の形だけ覚えておけば、細かいことは気にしなくてかまいません。むしろ、学校で習った用法はややこしいので、この際忘れてください。

現在完了形の「現在」と「過去」

先ほど、現在完了形は過去の出来事について話すときに使うと説明しました。しかし、現在完了形は過去形とは異なります。

なぜなら、現在完了形には、次の二つの特徴があるからです。

❶「過去」の話だが「現在」との繋がりがある

❷「過去」のどの時点で起こったのかは重要では無い

次の会話文を見れば、これがどのような意味か分かります。

Henry: Do you have homework today?(今日は宿題あるの?)

Lucas: Yeah, but actually I have finished it already. (うん、だけど実はもう終わったんだ)

Henry: Really? When did you do it?(そうなの?いつやったの?)

Lucas: I did it after lunch. (ランチのあとにやったよ)

この会話の中で赤字の部分現在完了形ですが、この部分を現在完了形の二つの特徴に照らし合わせてみましょう。

まず、❶「過去」の話だが「現在」との繋がりがある、について。

Lucasにとって、宿題を終わらせたのは過去の出来事です。しかし、「すでに」、つまりは「今までにもう」やり終えたということを伝えたいので、ここには「現在(今)」との繋がりがあります。

次に、❷「過去」のどの時点で起こったのかは重要では無い、について。

Lucasが「I have finished it already」と言ったとき、彼はおそらく、過去のどの時点で宿題を終わらせたのかは気にしていないでしょう。それよりも、「終わらせた」という出来事・事実の方が大事なのです。

次に、会話文の中で過去形になっている青字の部分を見てみましょう。この文が現在完了形でない理由は、現在完了形の二つの特徴に当てはまらないからです。

まず、❶「過去」の話だが「現在」との繋がりがある、について。

「I did it after lunch」も過去の話ですが、完全に過去で完結している話であり、「現在」との関係は見えません。

次に、❷「過去」のどの時点で起こったのかは重要では無い、について。

その直前にHenryから、過去のどの時点で宿題をやったのか聞かれているので、明らかにこの文では、いつ宿題をやったのかは重要です。

ここまで読んでも、現在完了形と過去形の違いははっきりと分からないかもしれません。では次に、日本語に置き換えて考えてみましょう。

日本語での現在完了形の立ち位置

日本語には、現在完了形とまったく同じ時制が存在しません。しかし、「日本人は現在完了形を日常的にまったく使っていない」というのは間違いです。

日本人も、現在完了形と同じ表現を使っていますが、日本語には同じ時制が無いので、状況に応じて現在形現在進行形過去形のどれかで表しているだけなのです。

次の2つの例文を読んでその感覚を掴んでみましょう。

例文1

田中くん:頭が痛いなぁ。

佐藤さん薬は飲んだ?

田中くん今飲んだところ

この「薬は飲んだ?」という文は過去形ですが、これを意訳すると「もうすでに薬は飲み終わったの?」となります。つまり、「現在」までにすでに行動が起こったのかどうかを聞いているので、この文には「現在」との繋がりがあるのです。

また、「薬は飲んだ?」と聞く時、別にいつ薬を飲んだかは重要ではありません。それよりも飲んだか飲んでないかが重要なのです。

このように、この文は現在完了形の二つの特徴を持っているので、英語に直す時は「Have you taken medicine?」という現在完了形になります。

次に、「今飲んだところ」という文。ここには「今」という言葉が含まれるのに、時制は過去形です。この矛盾、普段は全然気にすることがありませんが、実際問題おかしくないですか? これこそが、日本語に現在完了形がないために起こる矛盾なのです。

この文を丁寧に意訳すると「今ちょうど飲み終わったところ」となります。薬を飲むという行為は「過去」に始まり「現在」に完結しているので、現在完了形の一つ目の特徴である「現在」との繋がりはクリア。

問題は、過去のどの時点で起こったのかが重要かどうかです。この文では「今」という特定の時点を指している訳ですが、ここに惑わされてはいけません。重要なのは、「薬を飲む」という行為がすでに完了しているということ。実際、この文から「今」を抜いても意味は変わりません。

だから、英語に翻訳すると、この文も「I have just taken one」という現在完了形となります。

ちなみに、この例文で使われた用法はどちらも「完了」に相当します。

例文2

田中くんテニスやったことある?

佐藤さん:ないけど、水泳なら三年間習ってるよ

この二つの文は、日本語ではそれぞれ現在形現在進行形です。しかし、よく考えてみれば、両方過去の話をしています。一文目は明らかに過去に関する質問ですが、二文目も、三年間水泳を習っていたのは過去の出来事のはず。

なぜ過去形を使わないのでしょうか? この矛盾の原因もまた、日本語に現在完了形が存在しないことにあります。

まず「テニスやったことある?」という文ですが、これをさらに意訳すると「今までに一度でもテニスをやったことはある?」となります。つまりは「現在」との繋がりがあり、「過去」のどの時点に起こったかは重要ではないので、現在完了形です。

こちらは用法で言うと「経験」に相当します。

次に「水泳なら三年間習ってるよ」。この文を意訳していくと「水泳なら今まで三年間習いるよ」となります。だから、この文も実は「現在」と繋がりがあるのです。さらに、「過去」の特定の時点ではなく、三年間という期間やっていたことについての話をしているので、現在完了形の二つの特徴が揃っています。

こちらは用法で言うと「継続」に相当します。

英語で現在完了形を理解する

ここまで、以下の二つの特徴を元に現在完了形を解説してきました。

❶「過去」の話だが「現在」との繋がりがある

❷「過去」のどの時点で起こったのかは重要では無い

ここからは、この二つを基礎として、なぜ現在完了形には「継続・経験・完了」の3つの用法が存在するのかを解説していきます。

〈「過去」に始まり「現在」に続く〉継続用法

継続用法とは、「過去」から「現在」までのある期間(過去のどの時点かは関係ない)続けてきたとこについて話すための文法です。

I have studied about the present perfect for 5 years.

この文は、意訳すると「私は(今まで)現在完了形について5年間勉強しています」です。よく読むと、しっかりと現在完了の二つの特徴を満たしているのが分かります。

現在完了進行形

似た用法に、現在完了進行形という「have + been + 動詞の進行形(-ing)」の形を取るものも存在しますが、これも継続用法の一種です。

ただし、現在完了進行形を使うと、「今まで続けていて、今もまだ続けている」という意味が含まれます。

例)I have been studying about the present perfect for 5 years.

この文を意訳すると「私は(今まで)現在完了形について5年間勉強していて、(今もまだその勉強を続けています)」となります。

〈「過去」に始まり「現在」まで繰り返す〉経験用法

経験用法とは、「過去」に始まり「現在」に至るまで繰り返し(過去のどの時点かは関係ない)経験してきたことについて話すための文法です。

例)I have tried to understand the present perfect so many times.

意訳すると「私は(今まで)現在完了形を理解しようと何度も試みてきました」。これもまた、現在完了形の二つの特徴を満たしています。

ちなみに、経験用法では質問する際に「ever」を使うことがありますが、この「ever」は「今までに」という意味ではありません。実は、現在完了形を使っている時点で、すでに文中に「今までに」という意味が込められています。

「ever」は正しくは「at any time(どの時期においても)」という意味です。つまり、「Have you ever been to Osaka?」を意訳すると、「今までのどこかの時期で大阪に行ったことはありますか?」となります。

そのため、「ever」をいちいち付けなくても、「Have you been to Osaka?」と言えば「今まで大阪に行ったことはありますか?」という意味で伝わります。

〈「過去」に始まり「現在」までに終わる〉完了用法

完了用法とは、「過去」に始まり「現在」まで(過去のどの時点かは関係ない)に終わってしまったことについて話すための用法です。

例)I have already learned about the present perfect.

意訳すると「私は(今までに)すでに現在進行形について学び終えました」。これも、現在完了形の二つの特徴を満たしています。

また、完了用法は「過去」でも「現在」でもあるという微妙な時点で起こったことについて話すためにも使われる用法です。

例)I have just understood the present perfect.

意訳すると「私は()ちょうど現在完了形を理解したところです」となります。

現在完了形のまとめ

ここまでくれば、もう現在完了形の使い方が感覚的に分かっているはずです。この感覚は日本語にはないもののため、初めは難しいかもしれません。しかし、使っているうちにどんどん慣れてくるので、会話などで積極的に使っていきましょう。

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