単語の暗記と言うと、英単語と日本語の対訳をセットで覚えるというやり方を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、英単語の暗記では、日本語訳よりも「イメージ」を使った方が暗記速度と定着度が格段に上がります。
また、イメージを使って覚えれば、英単語を使うときも日本語に訳す手間が省けるので、これまでよりスムーズに英語を使うことができるようになります。
今回は、そんなイメージを使った英単語の暗記法を紹介します。
従来の暗記法の欠点
書店で売っている単語帳や、自分で単語カードを作る場合、英単語と和訳をセットで覚える形式であることがほとんどです。
しかし、このやり方には問題点が二つあります。
まず、アルファベットの羅列と日本語の言葉には関連性がなく、その二つをセットで覚えるやり方は効率が良くありません。
皆さんは日常的に英語に触れているので、もうその感覚を忘れているかもしれません。
違う言語で例を挙げてみましょう。
例えば、インドネシア語で「訪れる」は「mengunjungi」と言います。
日本人の私たちからすれば、「mengunjungi」というアルファベットの羅列を覚え、それに「訪れる」という意味を付け加えるのはかなり大変です。
なぜなら、「mengunjungi」と「訪れる」の間に何の関連性も見つけられないからです。
英単語も同じで、関連性のない言葉どうしを結びつける作業は、かなり難しい作業であり、良い暗記法とは言えません。
そして、もう一つの問題点は、従来のやり方で覚えた英単語は、実際に使うときに一度、日本語訳を経由しなくてはいけないことです。
英単語と日本語訳をセットで覚えてしまうと、英語を書いたり話したりするときに、先に日本語訳を作ってから、それを英語に翻訳することになります。
また、英語を読んだり聞いたりする際も、毎回、英単語を日本語に変換して理解しなければなりません。
このように、日本語のプロセスが入ることで、英語を使う際の工程が一つ増えてしまい、非常に効率が悪くなってしまうのです。
イメージで暗記する
しかし、これらの問題は、イメージを使うことで解決することができます。
この暗記法には、二つのステップがあるので、順に見ていきましょう。
ステップ1:英単語の意味をイメージで思い浮かべる
まずは、単語帳の日本語訳の部分をイメージに変えてみます。
例えば、「demolition」の日本語訳は「解体, 取り壊し」なので、家が取り壊される様子をイメージする、といった感じです。
ここまでは簡単ですが、次のステップでは少し想像力が要ります。
ステップ2:英単語とイメージを組み合わせる
次に、英単語のスペルや音を、うまく英単語のイメージに組み合わせます。
おそらく、これだけでは何のことやらさっぱり分からないと思うので、先ほどの「demolition」を例に説明します。
これにはいろいろなやり方がありますが、オーソドックスなのは、英語の音を日本語の言葉に関連づける方法です。
「demolition」の場合、日本語の表記に直すと「デモリション」になります。
この最初の「デモ」は、接続詞の「でも」に似ています。
ここから想像を膨らませると、こんなイメージが完成します。
しかし、作業員のやる気のない若者は、この住人に、「でも(取り壊しても)いいっしょ?」と言っている。
この様子をイメージしながら、「でもいいっしょ?」と「demolition(デモリション)」の音を関連づけて覚えるのです。
方法は千差万別ですが、このようにうまくイメージと英単語を関連付けられれば、単語の定着率はかなり高まります。
コツは、完璧を目指すよりも、印象に残りやすいものを目指すこと。
今回の例では、「demolition」を「でもいいっしょ?」という言葉に関連付けましたが、音的には完全に合っているわけではありません。
しかし、重要なのは、英単語に印象的なイメージを組み合わせることなので、自分の頭に残るようなものができれば、どんなものでも良いのです。
イメージを使った暗記法の例
この方法は、慣れるまで少し難しいので、以下にいくつか例を載せておきます。
英単語とイメージを組み合わせる方法は一つではありません。
自分が覚えやすいように、自由に英単語の音、スペル、成り立ちを利用し、また日本語、英語、さらには自分が知っている他の言語まで使って、思いのままやってみましょう。
要領を覚えれば、すぐにイメージが出てくるようになるので、以下の例を参考にしてみてください。
例1)encroach((〜に)侵入する)
ゴキブリ(=cockroach)が家の中(=in)に侵入していくイメージから、「encroach」。
例2)ransack((場所を)徹底的に探す)
リュック(=sack)を背負った探偵が、事件現場のお屋敷で、手がかりを走って(=run)徹底的に探すイメージから、「ransack」。
例3)plummet((真っ直ぐに)落ちる, 急落する)
果樹園で梅(=plum)の世話をしている女性に、お客さんが一つくださいと声をかける。
女性がお客さんの方を振り向いた瞬間、梅がすべて地面に急落する。
女性、それを見て、「プラム、えっと…(=plummet)」と言葉に詰まる。
例4)incongruous(場違いである)
その会場に突如あらわれたインコが、グルグルと私たちの周りを回りながら、場違いにも楽しそうに歌を歌っている。
インコ、グルグル、私たち(=us)で「incongruous」。
例5)pulverize(を粉砕する)
真珠(=パール)を粉砕して、バラバラ化(=バラ-ize)するイメージ。
※接尾語「-ize」には、「〜化する」という意味がある。
パール・バラ-izeで「pulverize」。
ここまで5つの例を紹介しましたが、英単語とイメージの組み合わせ方には本当にいろいろな方法があることが分かっていただけたと思います。
実際に例のイメージを使って、以上の5つの単語を覚えてみてください。
どれも英検1級レベルの英単語ですが、ものの数分で覚えられてしまうはずです。
まとめ
今回は、イメージを使った英単語の暗記法を紹介しました。
この方法で暗記すれば、覚えた英単語を実際に使用する時も、イメージを元に暗記しているので、より自然かつスムーズに使うことができるようになります。
少し手間はかかりますが、やり続ければ、こちらの方が格段に効率が上がるので、ぜひ挑戦してみてください!
この記事を見た人が読んでいる記事
おすすめのオンライン英会話スクール5選
オンライン英会話というのは、全部おんなじに見えてシステムや講師、料金など意外と全然違ったりします。そのあたりはサイトの説明ではいまいちよく分からないので、体験レッスン複数受けて一番いいと思ったところで習うのがいいかと思います。
値段の差はありますが、実際に通うことと比べるとはるかにコスパがいいかと思いますので、まだオンラインでレッスンを受けたことのない人は、そんなに考えずにとりあえず一度試してみることをお勧めします。