英語で話すとき、日本語で思いついた文章を訳そうとすると、ややこしくて詰まってしまうことはありませんか。実はこれ、英語の語順に慣れていないことが主な原因なのです。逆に、この語順を感覚的に覚えていれば、もっとスラスラと英語が話せるようになります。これを読んで、文法に捕らわれず、感覚で英語を話せるようになりましょう!
日本語から英語に訳すのが難しい訳
日本語と英語では、「語順」の自由度が違います。日本語の語順は自由度が非常に高いのですが、英語には元から決まった語順があり、自由度がかなり低いのです。
例を挙げてみましょう。
山田は ペンを 持っている
この日本語の文は、以下のように語順を変えても意味はほとんど変わりません。
ペンを 持っている 山田は
持っている 山田は ペンを
では、次に同じ文を英語に翻訳してみます。
Yamada has a pen(山田はペンを持っている)
そして、この英語の文は、語順を変えると以下のようになります。
A pen has Yamada(ペンは山田を持っている)
Has a pen Yamada(翻訳不可)
途端に意味が変わったり、通じなくなったりしてしまいました。
このように、日本語は語順を変えても意味が変わらない言語で、英語は語順を変えると意味が変わってしまう言語なのです。英語が難しく感じるのは、普段考えなくて良い「語順」を考えないといけないというのが大きな原因と言えます。逆に言えば、スラスラと英会話ができる人というのは、この語順を感覚的に理解している人なのです。
英語の語順とは?
学校では、この語順について、以下のような五文型という形で勉強したのではないでしょうか。
〈第一文型〉S V (主語+動詞)
例)I sleep.
〈第二文型〉S V C(主語+動詞+補語)
例)I am happy.
〈第三文型〉S V O(主語+動詞+目的語)
例)I love you.
〈第四文型〉S V O O(主語+動詞+目的語+目的語)
例)You gave me a gift.
〈第五文型〉S V O C(主語+動詞+目的語+補語)
例)She named her cat Mike.
簡単に説明すると、英語のすべての文の構造は、この五文型のいずれかに当てはまります。つまり、これさえ理解していれば、どんなに複雑な文も作れてしまうということなのです。
しかし、英語を話すときに毎回こんなことを考えていては、話せるものも話せません。それに、ネイティヴが英語を話すとき、わざわざ「これが目的語で、これが補語で…」などと考えてはいないでしょう。それは、私たち日本人が、「が」「を」「に」などの助詞の使い方を感覚的に理解しているのと同じです。
大切なのは「主語+動詞」
今の段階で私たちが五文型に関して覚えておかなければいけないことはただ一つ。「文は必ず『主語+動詞』で始まる」ということです。今の段階では、あとのことは一切気にしなくて構いません。これを意識しているだけでも、かなり英会話が簡単になります。
では、なぜ「主語+動詞」を意識することがそれほど大事なのでしょうか。例えば、「英語をマスターするのは難しいと思う」という文があったとします。この文の主語は「私」なのですが、省略されてしまっているのです。また、英語では動詞は二語目にくるのに、この文の動詞「思う」は文の一番最後まで現れません。このように日本語では、主語を省略することが多く、動詞は文の一番最後に来ることがほとんどで、「主語+動詞」で始まる英語とは相性が悪いのです。だからこそ、英語を話すときに、常に「主語+動詞」を意識していれば、英語がグンと話しやすくなります。
日本語版五文型で感覚を掴もう!
「主語+動詞」の意識が身についてきたら、次のステージに進みましょう。
ここからは、五文型を感覚的に理解するために、日本語の文を五文型に当てはめて覚えていきます。第五文型を覚えるといっても、そのまま正直に第一文型から理解していく必要はありません。日本語と英語は文法的にかなり異なっているので、それぞれの文型を一つ一つ理解しようとすると、余計に分からなくなってしまうものです。ここでは、英語の語順の感覚になれることを最重要目的として解説していきます。
まず、第五文型を日本語に直してみると、以下のようになります。
〈第一文型〉何(誰)は+どうする
〈第二文型〉何(誰)は+〇〇だ(※例外あり)
〈第三文型〉何(誰)は+どうする+何(誰)を
〈第四文型〉何(誰)は+どうする+何(誰)に+何(誰)を
〈第五文型〉何(誰)は+どうする+何(誰)を+何と(※例外あり)
これを見ればわかるように、第二文型のみ日本語の文法的には例外で、他の4つの文型は似たり寄ったりしています。ちなみに、第二文型は基本的に、「私は医者だ」「彼は楽しい」のような、「〇〇は〇〇」という形なので、難しくはありません。訳すときも、 “I am a doctor” や “He is happy” といった感じで簡単です。
残りの4つの文型ですが、その内の第一、第三、第四文型は、すべて先ほどやった「主語+動詞」の派生系です。以下が例文です。
〈第一文型〉私は+寝る
〈第三文型〉あなたは+救う+世界を
〈第四文型〉彼は+渡す+彼女に+ペンを
日本語を英語にする際は、この語順に従って日本語の文を思い浮かべれば簡単になります。試しに次の文を英語の語順に並べ替えてみましょう。
「チョコを買ってあげるよ」
まず最初のステップとして、「主語+動詞」の形にしましょう。主語は省略されていますが、文脈から「私」であると推測されます。動詞は「買ってあげる」の「あげる」に惑わされがちですが、単純に「買う」です。これで、「私は+買う」という文が完成しました。残りは「チョコを」なので、「私は+買う+チョコを」とすれば、第三文型に沿った文の完成です。
しかし、この文にはもう一つ省略されているものがあります。それは、「あなたに」です。日本語は表現の幅が広いので、場合によってはこういったものも省略できてしまうのですが、英語ではストレートにすべて言わなければいけません。「あなたに」を「私は+買う+チョコを」に足すとなると、第四文型の形になるので、「私は+買う+あなたに+チョコを」という形になります。これを英語に直して、 “I (will) buy you a chocolate” とすれば、完成です。
さて、最後に残った第五文型ですが、こちらは “call” “name” “find” などの特定の動詞や、使役動詞を使う際などに使います。文法的な違いから、日本語では説明しにくいものもあるのですが、今は下の例文を見て、感覚的に覚えておきましょう。
私の友達は+呼ぶ+彼を+肉まんと(My friends call him Nikuman)
彼女は+名付けた+息子を+アキラと(She named her son Akira)
私は+思う+それが+難しいと(I find it difficult)
まとめ
さて、英語の語順の感覚は掴めましたでしょうか。この感覚が理解できているかどうかだけでも、英会話の能力的にかなり変わります。普段の会話でもこれを意識していれば、すぐに習得できるので、ぜひ試してみてください。
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