誰でも「国際社会だから英会話ぐらいはできるようにしておきたい!」「英語は世界の共通言語。いつかは英会話をやらなくちゃな」と一度は考えます。
しかし、20代は始めたばかりの仕事や付き合いに追われて、英語の本を読む暇も語学をあらためて学ぶ暇もなく過ぎてしまい、と言う間に30代に突入。気がつけば、会社では英会話ができる若者が優遇され、小さな子供たちに英語を学ばせる若いママさん達も増えている・・・。
なのに、自分はいまだに英会話学習にも取り組んでいない!と焦りを感じている30代の方は多いのではないでしょうか。
しかし、30代は英会話を学び始めるのに決して遅い年齢ではありません。今の日本には、東京オリンピック開催決定をきっかけに英会話を学び始めた中高年の人たちもたくさんいます。
小さな子供や学生たちとは違って、30代がこれから学ぶ英会話は、実際の生活や仕事の中でしっかり役立つものでありたいですよね。
そこで、30代の方が英会話を学ぶ時のポイントと、具体的な始め方について述べてみたいと思います。
〈なぜ英会話を学ぶのか?〉目的を持つことが必要!
ただ単に英会話が上手くなりたい、と思うだけではなかなか上達しないものです。そこで必要になってくるのが、〈自分はなぜ英会話を学ぶのか?〉というモチベーションです。
きっかけは何でもかまいません。例えば、
- 「海外旅行に行ってもホテルで困らないようにしたい」
- 「海外出張の時現地スタッフとスムーズに会話できようになりたい 」
- 「自分の会社に研修に来た外国人と仲良くなりたい 」
- 「自分の子供に、英会話を話す姿を見せたい」
など。こうした自分なりのモチベーションこそが、英会話学習の初めの一歩なのです。
せっかく英会話を学ぶなら高いレベルを目指してみよう!
もしあなたが今全く英会話ができないからといって、「どうせ今から学んでもそれほど上達はしないだろう」と、最初から低い山の頂上を目指そうとするのはオススメしません。
そもそも、英会話は勉強する教科そのものではなく〈言語〉なのです。そして言語は、コミュニケーションの道具の一つでしかありません。
例えば、あなたが何か作業をするなら、それに使う道具の機能が良いものであればあるほど作業ははかどりますよね。つまり、英語でのコミュニケーション上達を目指して英会話学習に取り組むのならば、その会話力のレベルはなるべく高いところを目指す方がよいというわけです。
聞かれたことに答えるだけの英会話ではダメ。自分から質問するためには?
子供の頃に英会話教室で何年か英会話を学んだのに、なぜか大人になってから全然英語が話せない、という人には、〈英会話の先生が質問したことに対してただ答えるだけの英会話〉を学んできた人が多く見られます。
本来英会話はコミュ二ケーション・ツール(道具)なのですから、自分で自由自在に使いこなせるものであるべきです。聞かれたことに答えることしかできず、自分から情報を発することがない英会話スキルでは、ほぼ役に立たないでしょう。
特に、30代の人が学ぶべき英会話はビジネスシーンや海外旅行などで役立つ実践的な英会話であるとしたら、自分で自在に応用ができるものであるべきです。
自分の方から相手にどんどん英語で質問していくためには、まず疑問詞を使った質問の文をなるべくたくさん覚える必要があります。そして相手に質問するためには、まず自分自身の考えや感情を伝えるのに使える英文や単語を覚えることも大切です。
30代がマスターしたい英会話には英文法も必要!
CNNなどの英語ニュースや海外の映画の英会話を聞いていれば、それだけで英語がわかるようになり、話せるようにもなる!という話には少々無理があります。
耳にしたことがある単語やフレーズが聞こえてきても、それらの組み立てをわかっていないと全く意味がとれなくなったりします。
また、日本語で日常よく使っている会話文も、それを英語にして表現しようとすると、ある程度英文法がわかっていないと難しい場合もあります。
例えば、
That’s the best I’ve ever seen!
(今まで見た中で最高です!)
という文は、「今まで見た中で」という表現のために〈現在完了〉を使いますが、これは
現在完了=have+動詞の過去分詞
という英文法を知っていないとうまく表現できないかもしれません。
30代の人にとってマスターすべき英会話は、中学や高校で学んだ現在完了・仮定法などの文法を理解した上で、伝えたいことをなるべく正しく話せて、正しく聞きとれるものにしたいですね。
どうやって始める? 外国人に学ぶ方法
1. 英会話教室で学ぶ
英会話のレッスンに通ってネイティブの先生から学ぶというと、少し敷居が高く感じる方もいるかもしれませんが、実際は最近の英会話教室は様々なコースを設けていて、短期間で試せるレッスンもあります。
さらに、Skypeなどを利用して自宅でレッスンを受けられるインターネット上の英会話教室もあります。
ただ、英会話教室によっては講師の質がまちまちで、あまり英会話が進歩しない場合もあるので、教室の口コミなどを見て自分で判断していく必要があります。
2. 英会話カフェに行く
また、最近は〈英会話カフェ〉というのもあります。英会話カフェでは、ワンコイン500円くらいで30分〜1時間ほどネイティブの外国人とお茶を飲みながら会話を楽しみ、必要であれば会話を直してもらうこともできます。
利用者の年代は20〜30代が中心であることが多いので、30代の英会話学習にちょうど向いています。
初めての人とのコミュニケーションを楽しめる人であれば、英会話カフェはアウトプットの場としては、なかなかよいのではないかと思います。
3. ネット上で自分の英文を添削してくれるサイトを利用する
純粋の英会話学習とは少し異なりますが、ネット上で自分が作った英文をネイティブが添削してくれるというシステムのサイトが世界にはいくつかあります。
有名なのが〈Lang-8〉というサイトです。こちらでは、英語だけでなく、いくつかの言語で自分が文を記入すると、世界中のネイティブがそれを添削をしてくれます。基本的に無料で利用できるので、英会話初心者でも入りやすいのではないでしょうか。
★Lang-8
http://lang-8.com/
どうやって学ぶ? 自力学習で学ぶ方法
1. NHKの英語講座を利用する
昔から、あまりお金をかけずに自分の英会話をレベルアップしていける教材として有名なのが、NHK英語講座です。
ラジオ・TV放送番組『基礎英語』などを聴きながら、市販の月間テキストや音声CDなどを利用して手軽に学習できます。中には、テキストやCDだけを買って英会話文の暗記と復唱で自力学習する人や、逆にラジオ・TVの放送だけを聴いて学ぶ人もいるようです。
NHK英語講座の魅力は、何といっても内容の質の良さです。監修が優秀な講師陣・スタッフによって行われているため、それぞれの人に合ったレベルから学習し始めて、スムーズにスキルアップしていくことができます。
とにかく、市販の小さなテキストやCDのみ買えば取り組めるので、内容に対するコストパフォーマンスは一番いいかもしれません。
★2018年度 NHK英語講座レベル一覧
https://eigoryoku.nhk-book.co.jp/cefr
2. 英会話の通信教育教材を利用する
少々お金はかかりますが、英会話を通信教育で学ぶという手もあります。その場合、提出する課題やテストなどは必ず利用しなくてはいけないというわけではありません。教材だけを繰り返し自宅で聞いて、自分のペースで学んでいくことも可能です。
30代前後の英会話学習者の中で「内容が実践的で、かなり話せるようになる」と人気なのが、アルクという英語学習教材会社が発売している「ヒアリングマラソン」という通信教育教材です。
ヒアリングマラソンは通信講座としてテストをきちんと提出しながら受講するものですが、リスニング教材のみを利用している人も多いそうです。レベルは基本的に3段階に分けられており、ビジネス英会話に特化したコースなどもあります。
★アルク ヒアリングマラソンラインアップ
https://ec.alc.co.jp/listening/
3. 英会話アプリを利用する
通信教育教材は値段的に少し手が届かないという人は、英会話のアプリを利用して学習するのはいかがでしょうか。スマホやiPadなどがあれば、アプリにアクセスしていつでもどこでも音声を聞くことができるので、公私に忙しい30代にとってはとても便利な存在です。
無料のアプリもありますが、使える英会話を学ぶのなら、より質の高い教材で学ぶほうがいいと思います。
例えば、アマゾンのサイトには、登録できるAudibleという月額1500円で読書音声が聴き放題のシステムがあり、そこに登録すると、『キクタン英会話』などの英会話教材の音声を利用できます。
キクタン英会話は超初級編で誰でも取り組みやすいので、英会話に全く自信がない人にもおすすめです。
★アマゾン Audible
キクタン英会話”キクタン英会話【基礎編】
4. 中学・高校生用のリスニング教材や英検問題集のリスニングで学ぶ
30代なのに今さら学生向けの教材で学ぶの!?と思う人もいるかもしれませんが、実は最近の中学・高校で使用されているリスニング教材には、かなり実践的な英会話文が採用されていて、英会話初心者〜中級者の大人が学習するのにも非常に向いています。
しかも、学生向けの教材は、英文法の細かい説明が付帯している場合も多いので、英文法のやり直しが必要な人にはとても役立ちます!
また英検も、ここ数年でリスニング内容が実際の生活でよくある場面を多く取り入れており、会話を暗記したらそのまま実践で使えるようなものがたくさんあります。初心者ならば英検準2級程度のCD付き英検問題集を買って、リスニングを聴いてみてください。
さらに、2016、2017年からは英検3・準2・2級で英作文問題も出されるようになったので、英作文で単語や文法の進度もチェックすることができます。
30代からの英会話勉強法まとめ
いかがでしたか?英語学習の低年齢化がだんだん進んできて、30代で英会話を学び始めるのはちょっと遅いかな、と思う人もいるかもしれませんが、最近はTOEICや英検の受験会場に50代か60代の人たちもよく見かけます。
30代は、20代までに社会でいろいろな経験を経てひととおり知識を蓄えた段階にいます。
それらの知識をベースにして英会話というツールを身につけることができる、という面においては、30代は英会話を学ぶ年齢に適しているとも言えるのではないでしょうか!
働き盛りで、社会における責任も担い始めたり、プライベートでは家庭を持つようにもなったり自分だけの目的・目標を持って、個人の生活スタイルや性格に合った方法で楽しく英会話を学んでいけたらいいですね。
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