英語の発音「Street」 をストリートといっても通じない。

こんにちは、英語の勉強方法に関するノウハウについて連載している森本綾です。

これまで大学で英語を学び、塾の講師などで英語を教える仕事をしてきました。楽に英語ができるようになる方法をお伝えすることはできませんが、これまで英語を教えてきた経験の中で、少しでも皆さんのお役に立つことができればと思っています。

英語はもはや世界中で使われている言語のひとつで、地方によって発音やアクセントが異なることは珍しいことではありません。

日本語と英語の発音で大きく異なるのは、日本語は必ず子音と母音がともに発音されるのに対し、英語は子音が重なることがある、という点です。

日本人がなかなか英語を上手に発音できず、street をストリート、と言ってしまうのはそもそも母国語の発音の仕方が違うからです。

しかし、先述のように様々な方言が存在する英語ですから、別に日本人が「ストリート」と言っても問題ないとは思いますが、そこはやはりstreetと発音した方がかっこいいな、と感じる人は多いのではないでしょうか。

英語の「音」を覚える―フォニックスで発音のルールを知る

アルファベットは「エー、ビー、シー」と読むほかに「アッ、ブッ、クッ」といったような音の読み方があるのをご存知でしょうか。

単語のほとんどは「エービーシー」の読み方と「ア、ブ、ク」の読み方を組み合わせて発音されますので、両方の読み方を覚えることと、文字の並びと規則性を覚えると、大抵の単語は発音できるようになるし、間に母音を入れずに発音できるようになります。

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この、『文字と音の組み合わせによる発音のルール』をフォニックスといいます。フォニックスについての本はたくさん刊行されてますので、詳しい内容は1冊手元に用意して学習するといいと思います。

「本物の音」を聞いてたくさん真似すること

洋楽、洋画など、実際にネィティブスピーカーが話している英語を聞く機会はたくさんあります。フォニックスなどの理論を学ぶことはもちろん大事なことですが、実際に自分の耳で音を聞き分けることが発音の上達には欠かせません。

自分の好きな洋楽を1曲まるまる覚えて歌えるようになれば、かなり発音の力がついてきます。歌詞カードを見ながら聞いていると、必ず「えっ、ここ発音された?」とそのスピードについていけない部分があります。

何回も繰り返し聞くことで徐々に解消されてはいくのですが、必ず子音と母音をともに発音することに慣れている日本人には、英語の持つ子音のつながりや、語尾の発音がしばしば落ちることに驚く人も多いのではないでしょうか。

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例えば、「アナと雪の女王」の主題歌である「let it go」の一部を抜粋して見てみましょう。英語を無理やり日本語の発音にするので、若干表記が不自然になる点はご了承ください。

♪ Let it go, let it go, can’t hold it back anymore
これをそれぞれの単語についてふりがなをふると次のようになります。

♪ レット イット ゴー、レット イット ゴー、
キャント ホールド イット バック エニーモア

ですが、実際には次のように聞こえると思います。

♪ レリゴー、レリゴー、キャン ホーリバッ エニーモー

英語では、語尾の子音と次の単語の母音はしばしばつながって発音されます。その中でも、tの音と母音は「タチツテト」よりも「ラリルレロ」に近い発音となります。

また、母音とともに発音しない方が多いため、単語の語尾はごく小さく発音されるか、全く発音されなくなることも多くあります。

英語は日本語と比べてイントネーションの強弱がはっきりしています。大事な語ほど強く発音しますので、会話の中でそれほど重要な意味を持たない単語は弱く発音されてしまうのです。弱く発音されてしまうのは大雑把にいうと前置詞、代名詞、冠詞などです。はっきりとした強い意味をもつ名詞や動詞は強く発音されます。

♪ Let it go, let it go, can’t hold it back anymore
赤字が動詞です。どれも強く発音されています。

下線は代名詞を指しています。強い意味はありませんのではっきり「イット」とは発音されません。
青字の単語の語尾はそれぞれほとんど発音されていません。次につなげるために発音している暇はないからです。

まとめ

このように、歌詞カードを見ながら歌を覚えることで、自然な発音の仕方を徐々に身につけていくことができます。時々「めちゃくちゃに歌ってるはずなんだけどそれっぽく聞こえる」人がいるのは、耳が良いのと音のつながりを体で覚えているからなんだと思います。

中学校レベルの英語で舌の巻きも少なく、比較的簡単に歌えるのはビートルズなど、イギリス系の歌手です。

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イギリス英語の発音は、アメリカ英語に比べて舌の巻きが少なく、あっさりした発音に聞こえます。日本人にも聞き取りやすい英語と言えます。それでも音のつながりはありますけどね。

歌手の選定は完全に学習者のお好みです。ちなみに筆者はスパイス・ガールズの「ママ」という歌がとても好きで、何回もノートに歌詞を書き写したりして覚えました。

イギリス系にこだわらず、ブリトニー・スピアーズやレディー・ガガ、カーリー・レイ・ジェプセンなど色々聴いて歌っています。

洋楽のフレーズの中にも日常会話で使えるものはたくさんちりばめられています。ぜひ1曲覚えてカラオケで披露してみてはいかがでしょうか。

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