日本テレビで放送されている「世界の果てまでイッテQ!」という番組をご覧になったことはありますか?イモトアヤコさんが珍獣ハンターとして世界中を駆け回っていることで有名な番組です。その中に、出川哲郎さんが海外でのミッションをこなすという「出川哲郎のはじめてのおつかい」というコーナーがあります。実際に見てみると、彼の英語は発音・文法共にめちゃくちゃでとんちんかんなのに、なぜか最終的には目的地に到着し、ミッションを成し遂げてしまうのです。
番組をご覧になったことのある方は、彼の英語のめちゃくちゃさやリアクションに大笑いをしながらも、「なぜこんな英語でちゃんと目的地にたどり着けるのか」を不思議に思ったのではないでしょうか。
実はここに日本人が英語を話せるようになるためのヒントが隠されているのです。実際に番組の中で出川哲郎さんが放った名言(?)とともにそのヒントを紹介したいと思います。
1.大きな声で話しかける/話す
本来ならば人に話しかけるときに「Sorry.」を使うことはあまりないのですが、出川氏はいつも「ソーリーソーリー」と言いながら話しかけていきます。大声で何回も呼びかけることにより、立ち止まって話を聞いてくれる人がたくさんいます。
2.自分の知っている単語を並べる
日本人学習者はしばしば自分の言いたいことを『完璧な英語または単語』で話そうとします。しかしその単語が思いつかない。結果、言いたいことを言えずに口をつぐんでしまう、こんな経験はありませんか? 出川氏にはそれがありません。『自由の女神像がある場所に行く』というお題が出されたとき、彼が外国人に聞いて回ったのは「フリーウーマン」。自由=free、女神=womanとしたのです。
当然それでは通じるわけもないのですが、彼はあきらめずに聞き続けます。「フリー ウーマン ドール」「ニューヨーク ドール」など、とにかく自由の女神を表していそうな単語を連発します。ふいに、自由の女神像の色を伝えればいいと思いついた出川氏は、「ホワイト ドール」と聞くのですが、実は自由の女神像は緑色。
偶然お店のウィンドウで女神像が緑色であることをしった出川氏は「グリーン ビッグ ドール」と尋ね、ここで相手が自由の女神像のことを言っていると気づいてくれるのです。
どうしても日本人学習者は『正しい英語を言わなくちゃ』という強迫観念に駆られていることが多く、実はそれこそが学習の上達を妨げる一因でもあるのです。コミュニケーションの基本は「とにかくどんな単語を使っても自分の言いたいことを相手に伝える」ことです。そういった意味では、出川氏の行動は間違っていないのです。
3.相手の目を見て話す
日本人は謙虚で遠慮を美徳とする民族です。なかなか相手の目を見て話すことが得意ではない人もいるかと思いますが、同じ感覚が外国人にも通用するかというとそれはNOです。
相手の目を見ずに言いたいことを言おうとしても、相手はそれをくみ取ってはくれません。「目は口ほどにものを言う」ということわざにもあるとおり、やはり言いたいことはしっかりと相手の目を見て話すことが重要です。この点から見ても、出川氏の行動は秀逸です。
きちんと相手の目の前に立ち、相手が移動するのに合わせて自分も位置をずらす。相手が自分の目を見て一生懸命何かを伝えようとしていたら、何とか聞き取ってやりたいと思うのが人の心です。番組でも実際にそういう場面がありました(「君がなんと言おうとしているのかわかってあげたい」と言った人がいたのです)。
4.覚えた発音は何度も繰り返す
番組の中で、出川氏は「どうしても困ったら」電話でヘルプを求めることができます。河北麻友子さんがきれいな発音で「〇〇って発音するんです」と教えるのですが、出川氏には正しい発音を聞き取ることができません。
そこで、日本語丸出しのカタカナ発音にしてもらい、何度もつぶやきながら再び外国人に話しかけに行きます。この「何度もつぶやく」のが発音を覚えるうえで非常に有効です。英語を話せるようになるためには、話すアウトプットが必要になります。
実際に外国人と相対したときにきちんと言えるように、出川氏は覚えた単語をつぶやきながら話しかける相手を探しているのです(途中で音が変化してしまうことも多々ありますが…)。やはり声に出しながら、と体を使いながら覚えた単語は忘れにくいものです。
5.複数の人に同じ質問を繰り返す=覚えたフレーズを繰り返し使う
ある外国人から目的地へのヒントを引き出すことに成功しても、出川氏はもうしばらく同じ問を別の人に投げかけることが多くあります。彼の場合は「相手が言ったことが本当かどうか」の確証を得るために同じ質問をたくさんしているのだとは思いますが、覚えたフレーズを繰り返し使用することは、4のヒントとも重複しますが実際にそのフレーズを使えるようになるためにとても大事なことなのです。
出川氏の話す英語は確かに発音も文法もめちゃくちゃです。しかし、それでも彼の言葉が日本語を知らない外国人にも通用するのは、出川氏が「本気で」伝えようとしてるからなのではないでしょうか。もちろん、きれいな発音で、正しい文法を使えるにこしたことはありませんが、コミュニケーションという単語の意味は「伝達」です。まずは相手に伝えようとする気持ちが第一です。
だからといって、英語を学習する以上、文法をおざなりに扱っては絶対にいけません。文法は自分の言いたいことをきちんと表現するためのルールですので、そのルールをしっかり覚えたうえで、気持ちを上乗せして会話ができるようになることが最終的な目標です。頑張りましょう。筆者としては、あのコーナーが不定期に放送されるのだけが唯一の不満です。
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