こんにちは、英語の勉強方法に関するノウハウについて連載している森本綾です。
これまで大学で英語を学び、塾の講師などで英語を教える仕事をしてきました。楽に英語ができるようになる方法をお伝えすることはできませんが、これまで英語を教えてきた経験の中で、少しでも皆さんのお役に立つことができればと思っています。
どうしても避けては通れない道
英語を使えるようになる上で、どうしても避けては通れないのが「単語を覚えること」です。日本人学習者はどうしても英単語を認識する際に『日本語を介して』しまいます。
じっくり推敲しながら論文を書くのであればそれも大事なことでしょうが、こと普段の会話において反応の鈍さは致命的な欠点となります。
日本語で話していても5秒以上沈黙が続くと相手が何を考えているのか不安になりませんか。「Adorable」と言われたときに『とてもかわいい・愛らしい』という日本語が出てきてしまうと相手の話を理解するのに時間がかかります。
筆者はこの単語が出てきたときはモッフモフの子犬やよちよち歩きの赤ちゃんといったようなイメージが浮かびます。「apple」と言われれば『バラ科リンゴ属の落葉高木樹。またはその果実』よりも「皮が赤くてまるっとした果物」の映像(・ ・)を思い浮かべる人の方が多いはずです。
単語を覚えるということは、その意味を覚えると同時にその単語が映像またはイメージとして定着するということです。
また、かっこいい(難しい)言葉を言いたいけどその単語が出てこない、という経験を持つ人も多いと思います。そんな時によく『簡単な言葉に置き換えればいい』と言いますが、そもそも単語を知らないとそれも不可能な話なのです。
このように、英語を学ぶ上で単語は避けては通れない壁です。様々な工夫をしながら単語を覚えていけるような方法をいくつか紹介します。
*基本的に単語を覚えるときは必ず「書く」作業を伴うものとします。
1.一文字ずつつぶやきながら書く
英単語に限らず、ものを覚えるときは体を動かしながらやるのが効果的な方法だそうです。ただテキストを眺めているだけでは頭に入りません。読みながら書く、という2つの動作を同時に行うことが大切です。
単語を書く時に、まずはアルファベットを1文字ずつ発音しながら1こずつ書いていきます。最後にその単語の発音をし、意味を日本語で言う。これを1つの流れとして繰り返し行うと、簡単なものなら5回、長めの単語でも10回やれば大体は頭に入ると思います。
例)『シー、エー、アール、アール、ワイ、キャリー(carry)、運ぶ』
作業としては面倒ですが、1文字ずつ音を確認しながら書いていくので間違いは少なくなります。
2.カテゴリーごとに書き出す
動物、色、町の中にあるもの…といったようなテーマを自分で決め、そのカテゴリーに属する単語をたくさん書いていく方法もあります。
また、動詞を覚える、形容詞を覚える、など品詞ごとに書き出していく方法もあります。動詞の知識が増えれば、「誰々が○○した」という文章がたくさん書けることになりますので、動詞はたくさん覚えなければなりません。
3.対義語、類義語もセットで覚える
hot ― cold、up ― down といったような反対の意味を持つ単語も同時に調べてメモしておくと知識量が増えます。get to / reach / arrive at (到着する)など、異なる単語で似たような意味を持つものも同時に覚えるようにしましょう。
もちろん、単語が異なればそれぞれの単語の持つニュアンスは異なるので、その違いについては認識しないといけませんが、初級学習者であれば、まずは単語の量を増やすことを目的として「似たような意味」として括ってもいいと思います。
4.限られた時間の中でどれくらい書けるのか試してみる
例えば「aから始まる単語」を2分間でどれくらい書けるのか、などある程度単語を学習した後は何かしらの方法でテストをしてみることが重要です。やりっぱなしでは飽きるし疲れるだけなので、「ここまでできるようになった」という達成感を得ることは大人も子供も関係なく大切なことです。
この方法は1人でもできますし、友達と対戦形式でやると盛り上がります。お互いに答え合わせをするときに「こんな単語もあったか~」という反応が生まれます。それこそが学習において大切な要素なのです。
5.自作のテストに取り組む
ある程度の数を覚えたら、ぜひきちんと意味と単語のスペルがリンクしているかチェックしましょう。どんな書式でも構いませんが、テストを作った直後だと答えをそのまま覚えていることもありますので、作って2~3日寝かせてから行うと、しっかり覚えるいるもの、ぼんやりしているもの(記憶があいまいなもの)がはっきりとわかります。
問題 答え 練習
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赤い、赤の
遊園地
泳ぐ
例えばノートに上のような枠を作り、左側に問題を書きます。その隣に答えを書きます。合っていればそれでOKです。間違えた場合は、右側の練習スペースに何回も練習し、次のテスト問題に組み入れます。
1回のテスト量は個人で決めて構わないと思いますが、10個などある程度まとまった数があった方がいいと思います。問題の部分はペンで書き、制限時間を設けるなどすると少し気持ちが引き締まるかもしれません。
いくつかの方法を紹介しましたが、人によって合う合わないがあるのはもちろんのことです。様々な方法を試してみて、いちばん自分にしっくりくる勉強方法を確立することが大事です。
筆者は飽きっぽいので何かを覚えなければいけない時はその時の気分によってやり方を変えますが、とにかく「声を出しながら書く」ことだけは不変となりました。
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