こんにちは、英語の勉強方法に関するノウハウについて連載している森本綾です。
これまで大学で英語を学び、塾の講師などで英語を教える仕事をしてきました。楽に英語ができるようになる方法をお伝えすることはできませんが、これまで英語を教えてきた経験の中で、少しでも皆さんのお役に立つことができればと思っています。
英語を学習している人の目標は「ぺらぺら話せるようになる」ことを掲げている人が多いと思います。巷には「聞いているだけで話せるようになる」魔法の教材があるようですが、筆者はそのようなものは存在しないと考えています。
おそらく、そういった類の教材は『レストランで』『道案内をする』など、ある場面においては有効なのかもしれません。ですが、相手によって必ずしも教材と同じ答えが返ってくるわけではありませんので、やはり文法をしっかり身につけておく必要があります。
また、「文法なんて知らなくてもジェスチャーと単語で何とかなる」とおっしゃる人もいるでしょう。確かに、あるものを指さして ”How much? Discount please.”と言えばお店の人には通じるでしょう。
数年に一度、海外旅行に行くかいかないかというレベルの人ならそれで充分です。そういう人は「とっさのひとこと」というガイドブックを持って旅行すればいいので、英語学習者のニーズとはずれているような気がします。
日本語との語順の違い
さて、英文法を学ぶ上で障害となるのが日本語との語順の違いです。日本語は結論を最後に述べますが、英語は「誰が、どうした」という結論を最初にのべる言語なのです。
例)「私は昨日の午後、本屋で2冊の本を買いました」
「I bought two books at the bookstore yesterday afternoon.」
これをそれぞれ逆の語順で書いてみると次のような文になります。
「I yesterday afternoon at the bookstore two books bought.」
「私 買った 2冊 本 本屋で 昨日の午後」
とても奇妙な文が出来上がります。どの言語においても文法はきちんとした文章を紡ぐうえで重要なものですので、簡単に無視していいはずがないのです。
この現象はしばしば初級学習者に起こりますが、何度も文章を書いたり読んだりする練習を通して、正しい語順で文章を作る、というくせをつけなければなりません。
最初は簡単な文法と短文から⇒大量に書いてパターンに慣れる
いきなり難しい文法を練習しても心が折れるばかりです。簡単な文から始めましょう。
簡単な文法とはつまり汎用性があるということですので、be動詞の文をしっかりマスターするところから始めるのがいいと思います。そうすれば、文法の難易度が上がった時にも慌てず対応することができます。
ここではbe動詞の文を例に挙げます。チラシの裏に書いてもいいのですが、やはりここはノートに書いていくのがいいと思います。冊数が増えればそれだけ自分の頑張りが蓄積されている証明にもなります。
自分の頑張りが目に見える、というのはモチベーションを上げたり保つのに非常に有効な方法です。
例)be動詞(am)の文
I am Hanako.
I am a student.
I am twenty-five years old.
I am from Tokyo.
このように、最初はひたすらにI am ~. の文章を書いていくのです。もちろん読みながら。「アイ…アム…ハナコ」といったように、単語を発音しながら書くと、語順も身に付きます。ノートの右側がもったいないように感じますが、1行に1つずつでいいと思います。右側には意味を書いたり何かメモしたり自分なりの工夫ができますので。
I amに慣れてきたら、次はisを使う…というように、ひとつずつ段階を踏んでいくといいと思います。順番は好みでかまわないとは思いますが、areは最後に回した方がいいと思います。
というのも、areは単数のyou、複数のyou, we, の他に、Hanako and Taro といったような複雑な(数の多い)主語に対応しなければならない動詞だからです。最初のうちは文章が長くなればなるほどミスが出やすいので、主語が1語ですむam / is から取り組むことをお勧めします。
英語で日記/スケジュールを書いてみる
主に過去形や未来を表す表現を覚えたいときに有効な方法です。日記はしばしば自分を表すIが省略される傾向がありますが、それも表現方法の1つとして覚えておくに越したことはありません。
日記にはその日あったことだけでなく、明日の予定も一言入れてみるとwillやbe going を使った表現の練習になります。手帳に英語で予定が書かれているとおしゃれっぽいし(笑)、他人に見られても「?」となります。お勧めです。
文法一覧(中学校で学習するレベルまで)
be動詞の文 | 一般動詞の文 | wh語(5W1H) |
3単現の-s | 助動詞を含む文 | 進行形(現在・過去) |
現在形 | 過去形 | 未来を表す表現 |
to不定詞 | 動名詞 | 比較 |
受動態 | 接続詞を含む文 | 命令形 |
分詞構文 | 関係代名詞 | 現在完了形 |
これらの文法の他に、単語の品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞、代名詞、疑問詞、冠詞、接続詞、助動詞、関係代名詞)も覚えなくてはならないので大変ではありますが、まずは自分の知っている単語を駆使して簡単な文章を書くところから始め、徐々に知識量を増やしながら色々な単語を使って文を書いていく…という風にレベルを上げていくといいと思います。
一朝一夕ではできるようにならないので心が折れそうになりますが、たくさんのインプットがあふれ出して目の前の霧が晴れる瞬間が必ずやってきますので、そこまではくじけそうになる気持ちと闘いながら学習を進めてください。
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